世界恐慌以来のM2マイナス

時事ネタ

金融不安は再燃

SVB破綻により金融不安が高まり、その余波による預金流出が起きています。最近注目されているファースト・リパブリック・バンク(FRC)は、2023Q1に予想以上に預金が流出していることがわかりました。FRCによれば預金流出のペースはこの数週間で鈍化してきているとのことですが、3月に大手銀行から支援を預け入れた後にもかかわらず2022年末時点から預金が-41%しました。

これを受け金融不安は沈静化どころか再燃、FRCの株価は4月26日時点ででYTD(年初来)-93%しました。

世界恐慌以来のM2マイナス

※M2とは、現金や預金などの市場で流通しているお金の量を表す指標

M2が縮小していることについて少しフォーカスしてみようと思います。

M2が急激に縮小している要因の一つとしてはここ最近起きている銀行セクター問題の預金流出があるとおもいます。またFRBによるQT(量的引締め)と金利上昇も影響を与えています。

M2がマイナスになったのは1929年頃の世界恐慌以来のことで、M2縮小はインフレが低下すること、今後リセッションになる可能性が高く、もちろん株価にとってマイナスになる可能性が大きい兆候です。

M2とインフレの関連性については、色んな説はありますが下記チャートにしてみると大きな動きがある時期については連動性は高いように見えます。

以前、ブラード総裁も ”M2の急上昇はインフレを起こし、正しく予測された。今のM2縮小はディスインフレに良い兆候だ”と言ってました。FRBによるQT停止、利上げ停止も近々起きてもおかしくない時期に来ていると言えます。パンデミックからインフレ率上昇している時のFRBの後手後手の対策は記憶に新しいですが、その過ちを繰り返さないといいですが。

 

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