賃金動向の手がかりとなる雇用コスト指数- 2024Q1

時事ネタ

雇用コスト指数(前期比)- 2024Q1

「雇用コスト指数」が発表されました。これは毎月発表される雇用統計などと違い四半期ベース(3カ月に一回)に発表される指数です。

これは企業が雇用に掛かるコストを示しており、これには賃金だけでなく福利厚生費なども含めた実際に企業が負担しているコストの指標となります。また毎月出ているデータよりゆがみの少ないデータ(信頼度高い)ということから賃金動向の手がかりとして用いられる重要指数となっています。

今回の結果は以下の通りとなりました。

■雇用コスト指数(2024Q1)
1.2%(結果)vs 1.0%(予想)
0.9%(前回)

 

結果は1.2%と上振れる結果となりました。株式にとっては悪い結果であり、またドル円(為替)にとってもドル高に影響が出やすい結果となりました。

 

前回の雇用統計の経過をみると、雇用は上昇基調にあり、平均賃金はおおむね低下基調にあります。雇用が上がれば賃金も上がる(上がりやすい)のですが、賃金の伸びが遅れているだけなのかどうかはもう少し様子を見てみないとわかりません。

しかし今回の雇用コストの結果を見るとインフレ再燃懸念が高まる結果であり、更にFRBによる利下げ開始時期が後退する可能性が高くなったと言えます。

なぜ賃金の動向が注目されるかというとインフレ再燃しているのかどうかの手がかりの一つになるからです。インフレには様々な要因がありますが、一般的な一つの要因として雇用が増えれば賃金も上がり。賃金が上がれば企業のコストも増えるため物価上昇につながる仕組みがあります。

その為、雇用コスト指数がの動きはインフレ動向の非常に有効な手掛かりといえると思います。

 

金利予想状況

現在の政策金利は5.25%~5.50%のままです。

雇用コスト指標発表後の金利予想に変化がありました。利下げ開始時期が9月から11月に後退しています。

金利/日程 5月1日 6月12日 7月31日 9月18日 11月7日 12月18日 1月29日 3月19日 4月30日
5.25-5.50 ↑99.5% ↑90.0% ↑76.1% ↑49.5% ↑38.4% ↑23.4% ↑17.2%
5.00-5.25 ↓0.5% ↓9.9% ↓22.3% ↓41.1% ↑43.0% ↑41.2% ↑36.5% ↑29.1% ↑24.0%
4.75-5.00 ↓16.1% ↓26.6% ↓30.5% ↑32.8% ↑31.7%
4.50-4.75 ↓19.5% ↓23.2%
4.25-4.50
4.00-4.25
3.75-4.00
3.50-3.75  

 

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