1994年以来最大の利上げ

時事ネタ

6月FOMCまとめ

先週のCPIの結果が予想より悪く、既定路線の50bpsの利上げから一気に75bpsの利上げ予想が高まりました。そして最新の予想通り75bpsの利上げが発表されました。これにより政策金利(FFレート)は1.50~1.75%となります。

ツイッターで会見の内容をリアルタイムで流してましたが、下記にまとめておきました。

■今後の金利見通し(中央値)
2022年 3.4%(以前の予想値1.9%)
2023年 3.8%(以前の予想値2.8%)
2024年 3.4%  (以前の予想値2.8%)
その後  2.5%

これの見方としては、2022年内には政策金利を3.4%にしておきたいという見通しです。つまり残り4回の会合(FOMC)で3.4%まで政策金利を引き上げるという意味です。まだこの先1.75%位の利上げが見込まれているという事です。

■GDP成長率の見通しを引き下げ
2022年 1.7%(前回2.8%)
2023年 1.7%
2024年 1.9%
長期予測の中央値は1.8%(前回1.8%)

■パウエル氏発言
現在の状況は、労働市場が非常にタイトでインフレ率が高すぎる。インフレを低下させることが不可欠。

金利の継続的な引き上げは適切。バランスシートの大幅な圧縮を進めている。住宅部門の活動は軟化している。賃金の伸びは高まっている。労働供給は依然低水準。

供給制約は予想より長く続き、価格圧力は拡大している。インフレリスクは引き続き上向き。私たちの政策は適応であり今後も継続していく。

インフレの進展によっては利上げペースの加速は正当化する。7月会合で50または75bpsの利上げが最も可能性が高い。米国経済は非常に強い。

今回の75bpsの利上げについては、5月FOMCで50bpsの引き上げを提示した際、インフレ示唆するデータが予想より悪ければ、より積極的な行動を検討すると述べてた(以前に言ったよな?的な)

インフレ率が下がり、失業率が4.1%に上がったとしても、それはまだ歴史的に低いレベル。物価の安定なくして望むような労働市場はありえない。需要が落ちれば物価は下落する可能性がある。

長期的な中立金利は「2%台半ば」と考えている。今回の利上げでインフレの進展を見たい。インフレが低下しているというデータ(証拠)を見るまでは勝利宣言できない。

経済全般の減速の兆候はない。より積極的な利上げについて、”我々が犯す最大のミステイクはインフレを下げることに失敗することである”。物価の安定を取り戻すことが大事である。ソフトランディングの可能性はまだ残っているが難易度は高まっている。我々がコントロールできない要因(ウクライナ戦争、中国ロックダウン)に左右されている。

市場はQT(量的引き締め)を容認しているようだ。利上げが住宅市場にどの程度影響を与えるかわからないが、住宅ローン金利、住宅市場を注視している。(利上げ開始してから住宅ローン(30年)の金利はとっくに5%超えてる。たまにマジなのか冗談なのかわからぬボケ入れてくる。)

■会見後の動き
為替(USD/JPY):133円(約-2円)
NASDAQ100:+2.3%
S&P500:+1.3%
Dow:+1%

利上げ予想状況

先週から現時点の利上げ予想推移です。今年も半分が終わりFOMCもあと4回となりました。現在の政策金利は1.50~1.75%です。次回も75bpsの利上げ確率が現時点では優勢です。

FOMC日程/利上げ幅 25bps 50bps 75bps 100bps
7月27日 0% 80.0% → 12.7% 19.4% → 87.3% 0.6% → 0.0%
9月21日 0% → 7.7% 41.6% → 58.2% 48.5% → 34.1% 9.6% → 0.0%
11月2日 21.4% → 5.6% 45.2% → 44.2% 28.4% → 40.8% 4.8% → 9.4%
12月14日 42.3%  23.6%  4.3%  

過去のベアマーケット

下記はS&P500のベアマーケットが何日続いて、何%下落したのかが記録されています。現在のベアマーケットは約160日継続中で下落率約-20%です。過去のデータを参考にみてみると、今のベアマーケットの道のりはまだ長く、ざっとあと4月か月以上は続いてもおかしくないかと思います。ダウンサイドも更に-10~-20%下落する可能性があってもおかしくないように見えます。


このチャートを見てもわかるようにベアマーケットもいつかは終わりので、ネガティブになる必要もないという感じです。ポートフォリオの整理をまめにしておくことで様々なこと回避できたり、軽症で済むことができます。

エネルギー関連

■天然ガス
先週のフリーポートLNGの事故についての続報
フル稼働を再開するのは「2022年後半」。「一部」の稼働はおよそ90日以内に再開。これにより輸出の制約が長くなるため米国では天然ガス価格が安くなり、欧州では高騰する。この発表があった6/14のUS天然ガス価格は$7.4(-14%)

その他記録

■生産者物価指数(PPI)
 [前年比]
10.8%(結果) vs 10.8%(予想)、10.9%(前回)

[前月比]
0.8%(結果) vs 0.9%(予想)、0.4%(前回)

PPI Core
[前年比]
8.3%(結果) vs 8.6%(予想)、8.6%(前回)

[前月比]
0.5%(結果) vs 0.6%(予想)、0.2%(前回)

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