7月FOMCまとめ
市場予想通り25bpsの利上げが行われ、レンジで5.25%~5.50%となりました。22年ぶりの高水準に。
今回のステートメントの文書内容は、前回ステートメントから大きな変更はありませんでした。
下記はステートメントサマリー
- 25bpsの利上げ
- 利上げは全会一致で決定
- 経済活動は緩やかなペースで拡大している
- 雇用増加は堅調で、失業率は低水準を維持
- 追加情報を引き続き見極める
- 今後の決定は今後の経済データ次第
下記はパウエル会見のコメント
- インフレ率を2%にすることに強くコミットしている
- FOMCは今後の利上げについてデータ次第
- 金融引き締めの完全な効果はまだ実感されていない
- 労働市場は引き続き非常にタイト
- インフレはやや緩やかになったが、インフレ率2%への道のりは長い
- いくつかのセクターで引き締めの効果が出ている
- 今後の会合については何も決定していない
- もしデータが追加利上げの必要性を示唆するなら9月に利上げする可能性はある
- 成長率が高まればインフレにつながる可能性がある
- 6月CPIで示されたシグナルが再現されるかどうかを見極める必要がある
- コアインフレはまだかなり高い
- 失業者を増加しないディスインフレは幸せなことだと思う
- 我々が多くのフォワードガイダンスを提供すべきではない
- 実質FF金利はプラスの水準にある
- インフレは予想以上に底堅い
- 利下げ時期の判断には、インフレ水準と低下スピードの両方を考慮する必要がある
- 政策はほぼ期待通り
- 今年利下げを行わないと思うが、FOMCメンバーの何人かは来年の利下げを予想している
- FRBスタッフはもう景気後退を予測していない
- インフレ率2%に戻るのは2025年頃と見ている
- インフレ率2%になる前に利上げをやめると思う
- 賃金は初期インフレの重要な原因ではなかったが、現在では重要な要素になっている
- QTを継続しながら利下げを行う可能性もある
前回に続きタカ派寄りな会見だったとおもいます。今のこの微妙な時期に強気スタンスを崩すことはないだろうと思っていましたが、インフレと戦うスタンスは概ね予想通りでした。
”インフレデータが悪ければいつでもやることはやるよ(利上げ)”という姿勢を見せており、年内の利下げは無いことを示唆していました、ここもこれまでと変化なし。しかし、”来年には利下げを予想しているメンバーがいる”と発言が出ました。今の時点で利下げに関わる話は出ないと思っていたので少し驚きました。
市場予想では来年3月に利下げを見ていますが、過去の予想値はズルズルと後退してきていることをみると来年夏頃には利下げの可能性はあるのかと印象をもちました。
また”景気後退も予測していない”とのことで、あまり深く掘り下げて発言していたわけではないですが、すでにFRBにとってはリセッションは眼中にないという感じでした。FRBはここまで予想を外してきているので(本人たちも認めている)、そういう意味では「来る」のかと思ってしまいます。仮に来るとしても今の米国経済状況見る限り当分こなそうですが。
株も為替も大きく動くこともなく割と安定した動きでした。
金利予想状況
7/27、25bpsの利上げが行われ、現在の政策金利は5.25%~5.50%です。
FOMC前後で大きく変化はありませんでしたが、若干上昇気味です。
金利/日程 | 9月20日 | 11月1日 | 12月13日 | 1月31日 | 3月20日 | 5月1日 | 6月19日 | 7月31日 | 9月25日 |
5.50-5.75 | ↑24.0% | ↑32.0% | ↑28.6% | ↑19.9% | |||||
5.25-5.50 | ↓75.2% | ↓63.4% | ↓59.5% | ↓48.6% | ↑33.1% | ||||
5.00-5.25 | ↓0% | ↓0% | ↓8.0% | ↓26.1% | ↓38.2% | ↑33.5% | ↑23.5% | ||
4.75-5.00 | ↓15.4% | ↓36.4% | ↓35.0% | ↑25.9% | |||||
4.50-4.75 | ↓14.3% | ↓24.8% | ↓32.8% | 27.1% | |||||
4.25-4.50 | ↓21.1% | 30.8% | |||||||
4.00-4.25 | 18.5% | ||||||||
3.75-4.00 |